高校選びと塾通いの必要性

高校に進学しても塾や予備校に通う必要はありますかという質問をよく受ける。基本的に必要だと思っている。私立中学や高校の説明会ではよく「うちにくれば塾等に通う必要はありません」と言うが、大半は嘘である。その証拠にそういうことを説明会で言っている私立の子が勉強が分からなくなって、当校やその他多くの塾、予備校に通っているからである。

では、どんな学校に通っても予備校通いは必要かというと、どうやらそうでもない素晴らしい私立もあるようである。その一つが千葉県市川市にある市川中高等学校だ。当校の講師であるI先生は中高と塾にほとんど通わず、一橋大学に現役で合格した。

「あの学校は合格実績しか気にしていないから…」というネガティブな見方もできなくもないようだが、塾や予備校に通わなくてもいいなら、親は経済的にとても助かる。私立に通わせても元が取れるというものだ。他にも北区にある桜丘高校も、コースにもよるが、予備校不要と当校の講師が言っている。

どの私立なら予備校・塾不要なのか？どうやって調べたらいいのか？ーーー残念ながらそうしたことまで触れている学校案内はないようだ。「大学進学に力を入れている」と書いてはあるが、果たして本当か？　おそらく学校側の回答をそのまま載せているだけで”裏”は取っていないだろう。学校案内はとても参考になる本だが、値段的にそこまで求めるのは酷なようだ。

保護者は目星をつけた学校に文化祭などの時に行ってみるしかないだろう。そしてそこに通っている生徒を捕まえて聞いてみるのだ、「塾に通っている？皆はどうなの？」と。子どもはたいてい正直に答えてくれるはずだ。

ちなみに私が大昔、通っていた東京西部にあるT高はひどかった。高校編入組は特別クラスで数学の授業を受けていたが、一番はじめの授業で教師に「僕は君たちのことを頭がいいとはちっとも思っていない」と言われた。そして、偏差値65（当時）で入学した生徒の大半がなんと１学期も終わらないいうちに落ちこぼれた。教師は予言を成就させたのである（笑）。

ある日、教育実習に来た大学生の授業は本当に分かりやすかったが、その後に現れたいつもの数学教師は笑いながら、こういった「あれだけ丁寧に説明したら誰でも分かるよな」と。こんな学校もあるから学校選びは慎重でなければならないのである。