中学受験について ~よくあるご相談に学校長が「正直に」お答えします~
□ 中堅・上位校を目指す場合
・ 中堅(江東区近辺で言えば安田学園など)以上の中学校を目指すのであれば、公立小学校での勉強はほぼ100%出来ているレベル(全科目で常時85点以上)が必要です。
・ しかし、学校の勉強だけでは全く足りず、そのうえで、遅くとも小4から四谷大塚やサピックスなどの大手進学教室に通う必要があります。これら大手進学教室は集団授業をどんどん進めますので、分からなくなる子が多数出ます。しかし、これら進学教室の目的は「わかる子を遅滞なく学習させて有名中学にできるだけ多くの生徒を合格させること」にあるので、できる子に照準を合わせて授業を進めます。
・ 進学教室で「お客さんになるか」「有名中に合格する生徒になるか」は、進学教室に入るまでに「ついていける学力を身に付けているか」「学習習慣が出来ているか」で決まります。多くの保護者は進学教室に入った時点から競争が始まると思っておりますが、実は入学前に「その後の展開」はほぼ決まっているのです。中学受験はマラソンに似ています。長いレースですが、実はスタート地点に立った時点でどれだけ鍛えてきたか、それでその後の展開はほぼ決まっているのです。
・ 持って生まれた「勉強好き」以外、対策としては、できるだけ早く(低学年)から塾や家庭教師、保護者の指導で「それなりの学力」と「学習習慣」を付けておくことしかありません。くもん式など市販問題集を家庭での宿題に出して、帰宅したときにはきちんとやっているという学習習慣をつけましょう。まる付けをすると、9割以上はできている(学力)というのが、到達レベルの目安です。
・ 偏差値50以上では実質的に中2レベルのまでの幅広い知識を試験で求めます。子どもはかなりの努力とストレスを強いられます。保護者もそれなりの経済的負担を覚悟しなければなりません。それでも「教育はリターンの高い、確実性の高い投資」と多くの人が見ています。「将来の年収が数百万円違ってくることを考えれば、受験までに掛かる費用など1年で取り戻せる」(ある保護者)というわけです。
・ 当校では、低学年生に対しては、有名進学教室にバトンタッチするまでの「つなぎの指導」(=ついていけるだけの学力と学習習慣の養成)を行わせていただきます。できれば、そこからは大手さんにお任せしたいのですが正直、四谷大塚などの授業だけで問題が理解できる生徒は多く見積もっても3-4割でしょう。経済的事情が許すのであれば、その後も「補習」(=わからないところを聞きに来る、一緒にテキストを勉強する)という形でお手伝いさせていただきます。
・このように中堅以上の中学受験はメリットも大きいのですが、子どもにかなりの無理を強いる仕組みです。十分な準備をせずに受験レースに出場させることは、子どもの自信を喪失させるなどデメリットが大きく、あまりお勧めはできません。
□ 既に5ー6年生で“準備不足”の場合
・それでも「選ばなければ入れる学校」はあります。受験スタイルは「単願(専願)」(受かった場合、その学校に入学するという約束をする)になります。
・ とはいえ、入学後、授業についていける「最低限の計算能力、読み書きの能力」(某私立中入試担当教師)は試験で要求されますので、受験日(通常12月の第一週)までにやはり公立小レベルのテストは簡単にこなせるくらいの学力は付けておく必要があります。
・ 現在の能力が公立小で上位であれば準備(通塾期間)に半年~1年、中程度であれば1~2年、下位であれば2~3年はかかるとみてください。大手進学教室に通う必要はありません。
・ こうした私立でも高校から入ろうと思えば、5段階評価で「3」と「4」だけという好成績が必要になります。中学から入る「お得感」は十分にあります。また、周りが中堅レベル以上の大学進学を当然と思っているためか、その可能性も高まります。
・ 当校では、単願で入学確約が得られるだけの学力養成や志望校へのアピールなどを手伝うことができます。単願では、塾の推薦状や漢検などの資格保持がアピール材料になります。
・ また、公立中に進学して、そこでじっくりと学力をつけて、相応の高校を目指すという方法もあります。何をするにせよ、遅すぎるということはない年齢です。
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